2025/05/07 22:00

「触れて、感じる。名刺の紙と文字のこと」
– 世界観を伝える、静かなデザインの選び方


上記はNo.13 風合い紙を使用


はじめに


名刺って、実は「最初に触れてもらう自分」だと思っています。

話すより先に、手に取ってもらう。
見た目や言葉より先に、指先で感じてもらう。

だからこそ、“紙”や“文字”の選び方は、
自分の空気をそっと伝える、とても大切な要素だと思うのです。



紙の手触りが伝える空気感


名刺を受け取ったとき、ふと感じる「あ、なんかいいな」という感覚。
それって、意外と“手触り”からくるものだったりします。

たとえば──

  • しっとりとしたマットな紙は、落ち着いた印象

  • 少しざらりとした紙は、素朴でやさしい雰囲気

  • 厚みがあるだけで、「ちゃんとしてるな」と感じたり

紙そのものが発する空気って、想像以上に大きいんです。

「言葉で語らない部分」を、紙が静かに語ってくれている、そんな感覚です。



白さや色味にも意味がある


名刺用の紙といえば「白」が定番ですが、
白にもいろんな“白”があります。

  • 真っ白 → すっきり、誠実、シャープ

  • 生成り寄り → あたたかみ、自然体、柔らかさ

  • グレー系 → 静けさ、落ち着き、個性

ほんの少しの色味が、まるで声のトーンを変えるように、印象を変えてくれます。



文字は声のようなもの


文字って、どこか「声」に似ていると思うのです。

  • 明朝体は、少しかしこまった丁寧語のよう

  • ゴシック体は、シンプルでまっすぐな話し方

  • 手書き風フォントは、やわらかく親しみのある声

どんな声で話しかけるかを選ぶように、
どんな文字で名乗るかも、選んでみるとおもしろいです。



整ってる、という印象は“間”でつくられる


名刺をデザインするときに意外と大切なのが、「行間」や「余白」。

ぎゅっと詰まった文字列よりも、
すこし間をとった言葉の方が、整っていて、ちゃんとしてる印象を与えてくれます。

余白は、自分のリズムで呼吸しているような印象もあります。



自分らしい整い方を探す


すごく凝った名刺じゃなくても大丈夫です。
“目立つ”名刺じゃなくていい。
ただ、「今の自分にしっくりくる」ことがいちばん大切。

紙の質感や、フォントの選び方ひとつで、
「自分らしい整い方」はちゃんとつくれると思います。



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おわりに

名刺は、渡したあとも相手の手元に残ります。
つまり、「あなたの雰囲気が滲んだ小さな分身」みたいなもの。

話さなくても、売り込まなくても、
静かに「こんな人です」と伝えてくれる存在です。

だからこそ、言葉のデザインだけでなく、
触れることで伝わる“紙”と“文字”も、大切に選んでみてください。



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